立退き・立退料裁判例集

事例1 薬局(テナント)vs 大手家電量販店(オーナー) 立退料6180万円

東京地裁平成29年6月23日判決(ウエストロー)


・西新宿所在のビルのテナント(薬局)1階、2階。貸室1;賃料月額36万7500円、共益費3万6750円。貸室2;賃料月額27万8250円、共益費3万6750円。

・オーナー側は、多数の手狭なビルに分散している売り場を一体化させるため、ビルの建て替え、再開発を検討し、更新を拒絶。築30年。

・テナントは19店舗経営しており、経済的損失を補償すれば代替店舗で営業を続けることは可能。

<立退料>

①借家権価格(貸室1;3310万円、貸室2;1040万円)

②営業補償 894万2000円(貸室1の賃料の24か月分)

③移転費用 内装費429万5000円、移転費用374万5000円、代替店舗の仲介手数料貸室1が37万8000円、代替店舗の内装工事期間中の賃料・共益費は79万3800円、貸室2の仲介手数料は15万6000円

*テナントには、契約終了から明渡しまでの損害金の支払も命じられている。

事例2 家具屋さん(テナント)vs 不動産会社(オーナー) 立退料9273万8000円

東京地裁平成30年9月7日判決(ウエストロー)


・横浜市、市営地下鉄駅徒歩5分のビルテナント(家具、インテリア用品、室内装飾品、家庭用雑貨品の輸出入及び国内での卸、小売り)。月額賃料175万、敷金1280万円。

・オーナー側は、現状容積率の8割が未使用であり、建物をホテルに建て替え土地の有効利用を図りたいとして更新拒絶。

・テナントは、経済的損失を補償すれば代替店舗での営業は可能。

<立退料>

①借家権価格  4500万円

②通常損失補償(営業補償や移転費用等)4773万8000円

事例3 飲食店(テナント)vsホテル経営会社(オーナー) 立退料2億円

東京地裁平成30年8月28日判決(ウエストロー)


・東京都中央区、某駅徒歩3分の歓楽街。築約50年鉄筋コンクリート造7階建ての地下1階部分。賃料月額195万円。

・オーナー側は、老朽化、耐震性不足による倒壊の危険性、ビジネスホテルへの建て替えの必要性

・テナントは、チェーン店を国内外に2167店舗も有する大企業で、その売り上げは約1455億円で、本件店舗の売上は1.25億円。代替店舗確保が困難とまでは言えない。

<立退料>

①借家権価格 1億1900万円

②店舗内部造作補償 5964万3909円

③工作物補償額 631万8565円

④営業補償 937万575円

⑤移転費用 252万2964円

*上記に代替店舗の獲得困難性を加味して、2億円と認定

事例4 お花屋さん+本社事務所+フラワースクール(テナント)vs地下鉄(オーナー)              立退料 3億5400万、1億1200万、9100万円(3店舗) 

東京地裁令和2年3月24日判決(ウエストロー)


・東京五輪メインスタジアム近くの地下鉄駅隣接のビル。築40年。賃料1階330万円、5階158万4000円、6階138万6000円

・オーナー側は、地下鉄駅のバリアフリー整備のためのエレベーター等の設置のために、老朽化した本件ビルを建替えてる必要性。

・テナントは生け花を展示販売する店舗・喫茶スペースと、本社事務所、ショールームで使用。代替店舗での営業は可能。

<立退料>

(1)花屋店舗 3億5400円

  ①借家権価格 2億2900万円

  ②移転補償1億4910円、営業補償3830円から狭義の借家      権価格にも含まれる借家人補償額6210万円を差し引く

(2)事務所 1億1200万円

  ①借家権価格 2540万円

  ②通損補償1億350万円から、狭義の借家権価格に含まれる借家人補償額1740万円を差し引く

(3)事務所・フラワースクール 9100万円

  ①借家権価格 2080万円

  ②通損補償9240万円から、狭義の借家権価格に含まれる借家人補償額2220万円を差し引く

*テナントには、契約終了時からの賃料倍額の損害金の支払も命じられている。

事例5 歯科医(テナント)vs 鉄道会社(オーナー)   立退料2億円 *約定違約金請求棄却

東京地裁令和1年12月4日判決(ウエストロー)


・東京駅徒歩2分の歯科医。月額賃料39万3000円、共益費7万2705円、敷金393万円。築33年程度。

・オーナー側は、大規模再開発事業で本件建物を含む周辺建物を整理して大型ホテル建築を計画

・テナント側は、東京駅という交通至便な場所で開業して15年、年間3500万円以上。ただ、代替物件での営業が不可能とは言えない。

<立退料> 2億円

オーナー側が申し出た立退料の額である1億1747万5034円の2倍弱の2億円が相当(先払い)

約定違約金は以下の通り述べて棄却した「約定違約金を定める本件賃貸借契約の特約が賃借人に賃料及び共益費の倍額相当額の約定違約金の支払義務を課すという重大な効果を生じさせる内容であることに鑑みると,この特約にいう「被告が本件賃貸借契約終了時に本件建物部分を明け渡さないとき」(甲3の23条3項)とは,本件賃貸借契約が終了したことにより被告が無条件で原告に本件建物部分を明け渡す義務を負うのに,これを履行しない場合をいうものと解するのが相当である。」「 (2)  そうすると,上記2で判示したとおり,被告が原告から2億円の支払を受けることを条件として原告に本件建物部分を明け渡す義務を負うにとどまる本件においては,「被告が本件賃貸借契約終了時に本件建物部分を明け渡さないとき」に該当しない以上,,平成27年3月10日から平成31年4月9日までの約定違約金(賃料及び共益費の倍額相当額)を支払う義務を負わないというべきである 」

準備中

最新の裁判例を、少しずつ、増やしていきます。よろしくお願いいたします。

東京都中央区新富2-14-5 ACN銀座イーストビル8階 エルピス総合法律事務所
Powered by Webnode
無料でホームページを作成しよう!